くんちゃんは　学校の　絵画コンクールで

お母さんの絵をかいて　きんメダルを　もらいました。

 「お母さんに　見せてあげよっと」

家に着くと　お母さんと　いもうとの赤ちゃんは　るすでした。

 「はやく　来ないかな」

そこに　ミツバチの　ひめちゃんが　やってきました。

「くんちゃん　たいへん　たいへん！」

「そんなに　あわてて　どうしたんだい？」

「みずうみの近くの　青い木に　くんちゃんの　お母さんと　赤ちゃんが　スモーキーに　つかまってたよ」

「えー！　はやく　助けにいかなくっちゃ」

バタバタ　バッタン　ドキドキ　ドッキン

バタバタ　バッタン　ドキドキ　ドッキン

「おーい、くんちゃん。そんなに急いで　どこに行くんだい？」

「あ、小金もちさん。お母さんがスモーキーにつかまったんだ」

「それは　大変だな。ぼくが　スモーキーを　やっつけてあげる。そのかわり　きんメダルをちょうだい」

すると、となりにいた　カミヤくんが　いいました。　

 「くんちゃん、いそいで　お母さんを助けにいかなくっちゃ！」

「くんちゃん　きんメダル　おめでとう。ぼくからのプレゼントだよ。

もうすぐ　雨がふるから　気をつけてね。」

「カミヤくんありがとう。じゃあ　ぼく　いくね」

「いそげ　いそげ！」

くんちゃんは　目の前がかすんで　急に　とべなくなりました。

「ゴホンゴホン……。このにおいは　カメカメブラザーズだな」

「くんちゃんじゃないか。ぼくたち　このカプセルで　森を消毒してるんだよ」

「そ、そうなんだ……。その　みどりの　カプセルを　ぼくに　ゆずって　くれる？」

「くんちゃんは　きんメダルをとったから　プレゼントするよ」

「ありがとう！」

しばらく行くと、ひめちゃんが教えてくれた　みずうみと　青い木が見えてきました。

「雨がふってきたぞ　いそがなくっちゃ」

バタバタ　バッシャン　ドキドキ　ドッキン

バタバタ　バッシャン　ドキドキ　ドッキン

 くんちゃんは　青い木につくと　大きな声で叫びました。

「お母さん　どこにいるの！？」

「へ、へ、へ。　やっときたな～。お母さんを助けたかったら　きんメダルをよこせ！」

「ぜったいに　やるもんか！」

くんちゃんは　いそいで　みどりの　カプセルを　投げました。

でも、スモーキーの　おしりから　出た糸が早かったので、くんちゃんは　地面に　落ちてしまいました。

「お母さん　助けて――！」

そこに　ホタルがやってきました。

「こら！　くんちゃんを　いじめるんじゃない　ピカッ」

「こら！　くんちゃんの　お母さんは　どこだ　ピカッ」

「こら！　早くいえば　助けてあげるぞ　ピカッ」

「光だけは　かんべんしてくれよ～くんちゃんのお母さんは　近くに　かくれてるよ。おれさまは　遠くに行くから　もうかんべんしてくれ。ごめんなさーい」

「おーい　くんちゃん　大丈夫かい？」

「おーい　くもすけは　遠くに　行っちゃったよ」

「おーい　お母さんに　きんメダルを見せるんでしょ？」

「ぼく　もう　力が出ない」

そのようすを　見ていた　サリーが　くんちゃんを　だきかかえました。

「お母さんを　きっと　見つけてあげます」

「どうやって？」

 すると、サリーは　美しい声で　歌をうたいました。

♪～　

きこえていますか　

くんちゃんの　おかあさん　

くんちゃんは　みずうみの　ほとりに　います

日がしずむ前に　くんちゃんを　むかえにきてください

まってます　まってます

サリーは　何回も　歌いました。

「おかあさーん！」

「くんちゃん！」

「ぼくね　すっごく　こわかった……お母さんに　きんメダルを早く　見せたくて　がんばったんだ」

「え！　くんちゃんが　きんメダルをとったの？」

 「そうだよ。ほら見て。お母さんの絵で　きんメダルをとったんだ」

「まぁ　すてき！　くんちゃん　ありがとう」

森の　なかまが　あつまってきました。

「くんちゃん　きんメダル　おめでとう！」